ヒトは何故嘘をつくのか、嘘に隠された本当の真実
ヒトは何故嘘をつくのか
混んでいる電車で足を踏まれたときに
「すみません、大丈夫ですか?」
と聞かれ、すごく痛いしとても嫌なのに
「大丈夫です」
と笑顔で応えたり……。
英語での会話中、聞き取れない単語があっても、
「I see!」
とすっかりわかったような表情で頷いたり……。
私たちは、生まれてから死ぬまで、数えきれないほどの嘘をつきます。“こうだった”というものから“こうしたい”というものまで、過去だけでなく未来についても、自分の都合のいいように、人にも自分自身にも話すことがあります。
そして多くの場合、そのような嘘に悪意はなく、穏便に済ませるためや、相手を傷つけないようにするためなど、うまく社会生活を営んでいくために使われています。
――本当のことばかり言う人間とは、とても一緒にやっていけないが、ありがたいことにその必要もないのだ――
これは、米国の作家、マーク・トゥエインの言葉ですが、英国ポーツマス大学の研究チームが行った調査によると、生後わずか6カ月の赤ちゃんにも欺瞞行為が確認できることがわかりました。
人はなぜ嘘をつくのか……。
その答えのひとつとして、“人間に備わっている機能だから”と言うことができると思います。
嘘は相互理解を深めるためのチャンス
まだ終わっていないのに
「宿題終わった」
と嘘をつき、お母さんから怒られたばかりの子どもが、セールスの電話を取り次ごうとしたら「いないって言って!」と今度は嘘をつかされる……。
気が進まない会合の日時が近づいてきたら
「仕事が忙しいってことにして欠席しない?」
と同僚から口裏合わせの嘘を持ちかけられる……。
このように人間は、日常生活の中で、結託してまで嘘をつくことがあります。
しかしその一方で、自分が嘘をつかれることには大変敏感で、傷つきやすく、憤りやすいという傾向もあります。
「信じてたのに、嘘だったの!」
「君が僕に嘘をつくなんて……」
身近な人、親しい人の嘘であればなおのこと、たったひとつの嘘が、何十年も続いた信頼関係をいとも簡単に破壊してしまうこともあれば、死ぬまで続く蟠りになってしまうこともあります。
軽はずみについたほんの些細な嘘のせいで、人生が台無しになってしまったという事例もありました。
嘘は、つかれたときも、ついたことが露見したときも、どう対処するかがとても重要です。怒りに任せた行動は避け、事を荒立てず、うまく対処できれば、かえって相互理解を深めるチャンスにもなり得ます。そしてその鍵となるのは“嘘の奥にある意図”です。
http://mode-sence.com/2018/01/12/post-1003/
須田スー
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